
この度、大西利樹前会長の後任として埼玉大学同窓会の会長に就任することになった、1970年(昭和45年)教養学部教養学科中国文化課程卒業の栩木誠と申します。就任にあたり、会員の皆様にご挨拶申し上げます。
山口学長はじめ大学の諸先生、職員の方々、同窓会代議員並びに事務局の皆様には、日頃から当会の活動・運営に関しまして多大なご支援を賜っておりますことを心より感謝申し上げます。また、同窓会の会員の皆さまのご理解とご協力、積極的なご参加がなければ、当会の発展は到底なし得ません。どうぞ今後とも宜しくご指導の程お願い申し上げます。
埼玉大学が各学部・学科同窓会の連合体として設立されて以来、十数年の歳月を経過しました。しかし、その活動内容、組織力は、まだ幼児期の域を脱してはいません。このような時期に同窓会の運営に携わることに重大な責任を感じるとともに、皆様のお力をお借りしながら、自立への道を歩む状況を創出していきたいと思っております。
埼玉大学同窓会は、設立以来、全学の会員相互の交流を深めるための「全学同窓会交流会」の開催、在学生のための就職セミナー、キャリア形成講座の開設などの諸活動を進めてきました。特に、ここ数年は、大学主催の「ホームカミングデー」に積極的に協力をするとともに、講演会と交流会を同時開催してきました。2017年の講演会、交流会は、ノーベル物理学賞の受賞者で本学理学部の同窓生、梶田剛章先生(東京大学)に講演をしていただき、盛会裡に終えることができました。
私たちの母校である埼玉大学は、創立70周年を迎え、「学びと研究の場」としての地位を着実に固めつつあります。恵まれた教育環境の下で、多くの後輩たちが学びに研究にいそしみ、旺盛なエネルギーで青春を謳歌しています。
しかし、その一方で、国内総生産(GDP)に占める教育機関への公的支出の比率が、経済協力開発機構(OECD)の加盟国35か国で最低という劣悪な教育行政の下で、その学問・研究環境は悪化の一途を辿っています。大学、とりわけ国立大学は、大学法人化以降、多くの大学で基盤的経費である運営費交付金が年々削減されるなど、その環境はますます厳しさを増しています。日本の将来を担うべき若き研究者の数も減少しつつあります。こうした状況を少しでも改善するために、同窓会としても可能な限り大学への協力・支援を強化していきたいと思います。
埼玉大学同窓会が、全国の官学民、様々な分野で活躍されている同窓生の皆様の親睦交流の場、幅広いネットワーク構築の場として、有効な役割を担っていくために、今後とも積極的な活動を担っていきたいと存じます。同窓生のための各種セミナーなど催しの開催、在学生向けキャリア形成支援の活動など、多面的な諸活動を行っていきたいと考えております。会員の皆様にも、積極的な提案、参画をお願いいたしたく存じます。温かいご支援、ご協力を頂けますようお願い申し上げて、就任のご挨拶とさせて頂きます。
(平成30年11月記)