会長挨拶(金子美智雄, 2020年-2021年)

 私は、この度、埼玉大学同窓会の会長をお受けすることとなりました、教育学部を昭和43年3月に卒業した金子美智雄と申します。卒業後五十数年となりますが、永年にわたり教職に携わってきました。現在教育学部同窓会(教友会)の会長も承っております。全学同窓会の会長就任にあたり会員の皆様にご挨拶を申し上げます。

 いま、新型コロナウイルスが世界中に蔓延し日本も未だかつて経験したことのない歴史的な危機に直面しております。埼玉大学同窓会の会員の皆様の中にも亡くなられた方、罹患された方がおられるのではないかと懸念しております。

 また、学生の皆さんにとりましては、開学以来初めての非常事態に伴い、入構が禁止のため授業はオンライン授業となり、肉体的にも精神的にもお疲れになっておられることと思います。経済的に厳しい状況に置かれた方も多数おられたことから、本会は大学からの要請に基づき、些少ではありましたが支援金を準備させて頂きました。1日も早く落ち着いて学業に励んで頂く環境となることを願っております。  

 埼玉大学同窓会は、山口宏樹前学長、坂井貴文現学長を始め、先生方・職員の方々、同窓会の代議員並びに事務局の皆様に、日頃から本会の運営面等で多大なるご協力・ご支援を頂いておりますことに、感謝申し上げます。  

 また、本会は、学内5つの学部同窓会の連合体となっておりますが、各学部同窓会と共に、埼玉大学に入学された時点で生涯会費を納めて頂き、その資金をもとに運営しております。                 

 卒業された方はもとより学生の皆様も埼玉大学同窓会の会員です。同窓会の規約にもありますが、「会員相互の親睦を図り、母校のさらなる発展のために寄与すること」をめざして、努めたいと思います。

 さて、埼玉大学は、昨年11月に開学70周年を迎えました。1949年(昭和24年)11月3日に旧制浦和高等学校を母体とする文理学部と埼玉師範学校・埼玉青年師範学校を母体とする教育学部を擁して開学式を挙行しました。爾来70年、現在では、教養、経済、教育、理学、工学の5学部人文社会学、教育学、理工学の研究科からなる大学院をもって総合大学に発展しています。                        

 開学当初は、北浦和キャンパス(現在 北浦和公園)の文理学部と、常盤キャンパス(現在 さいたま市役所)の教育学部の2学部で発足しました。 

 その後、昭和39年頃からは大久保キャンパスへの移築が始まり、学部改組があり、最初に工学部棟、そして教育学部棟が完成し、授業も開始されました。私の在学当時は、この3ヶ所のキャンパスを行き来した時代でした。時は流れ、卒業生もこの当時を知る人は、高齢になりつつあります。    

 その後、埼玉大学は 「All in one Campus」として、大久保の地に総ての学部が集結され、広大な「学びと研究の場」となりました。母校が発展することは、卒業生として、誇らしくもあり、この上ない喜びでもあります。                                

 この70年間で卒業・修了された方は、88,847人(令和2年3月現在)にのぼり、現在の学生会員を加えますと95,502人(令和2年5月現在) になります。卒業生は、官民学それぞれの分野で、また国内はもとより海外でもご活躍になっておられます。続く学生の皆さんも、埼玉大学に誇りをもって学業に励まれ、先輩に続いて欲しいと願っております。                                       

 新型コロナウイルスの一日も早い終息を願い、会員の皆様には同窓会事業へのご理解とご協力、並びに事業への積極的な参加をお願いいたしまして就任のご挨拶とさせて頂きます。                    

※ここ数年、本会は大学主催のホームカミングデーとの共催で講演会・懇親会を実施し、多くの卒業生にご来校頂き、互いに親睦を深めることができ ました。今年(令和2年度)は、残念ながら、新型コロナウイルス感染防止との関わりからホームカミングデーは中止となりました。来年こそは、盛大に開催できますことを願っております。

(令和2年8月21日記)